「私的にはお勧めな本です。」上の文は問題なわけですが、どこが問題なのでしょうか。例えば「私的には」と一つ取ってみても、ただ「これは使ってはいけない」というのではなく、文法として、あるいは言葉の歴史を紐解いて解説されています。といっても内容は小難しいわけではなく、ひたすら「なるほどなあ」といってしまうものです。さらに、読み進めていて疲れたころに漫画が挿入されます。これまた面白い。中高生が呼んでみても面白く感じると思います。是非是非、昨今の日本語の使い方が気になる方は手にとってみてください。
この言葉が正しいのかどうか、イエスかノーかをはっきり言い切ってくれるマニュアル本ではありません。むしろ、この本をきっかけに、正しい日本語ってなんだろうね、と考えることを薦めてくれる本です。 いくつかの文法的解釈や、その言い回しに付随する背景を考察してくれています。だから、昼食後にパラパラとめくったりしていると、ちょうどいい感じです。 ちょっと、「明鏡日本語辞典」を宣伝しすぎにも感じますが、言葉に興味を持ったらそちらもどうぞ…ってことでしょうね。
日頃、気になる(気に障る)言い回しのうちのいくつかを挙げて解説されている点は面白く読めたのですが、それらの言い回しの生まれた背景をもう少し掘り下げてほしかった・・・解説はあくまでも文法上の解釈に終始し、文例も古い文学作品が中心。文豪も使う言い回しだから誤用ではない、というのではなく、どのような年齢層の人々が、どのような場所で、どのように使われだし、他の人々からどのように感じられているか、社会的な側面から喝破するのに期待しておりました。最近の「日本語ブーム」のおかげで人気ある本ですが、続編に期待します。
違和感のある言葉遣いを耳にすることがあるが、なぜ違和感があるのか、と考えるとこれが案外難しい。 「なにげに」「きもい」「・・・ってゆうか」 などの若者ことばは単に慣れの問題だと思うが、 「○○になります」「私って・・・な人じゃないですか」「私的には・・・」 などは、どうして違和感があるのか、ちょっと簡単には答えられない。本書は、この言葉づかいは正しい、これは誤まり、と単純に右左にわけていくのではなく、違和感の生じる原因をしっかりと検討していて興味深い。 違和感の原因で多いのは敬語の使い方のようだが、言葉そのものが変わってしまうこともある。最近は「ふんいき」と「ふいんき」が半々くらいで使われている、ということでビックリしたが、しかし「さざんか」はもともと「さんざか(山茶花)」、「新(あたら)しい」はもともと「新(あら)た」だったそうで、一字入れ替わって定着してしまった言葉も少なくないようだ。言葉というのは『人の想像を絶したところで、意外な形で起こる』という、本書のフレーズが心に残った。 ちなみに、私って・・・な人じゃないですか、とか私的には・・・に感じる違和感は、勢古浩爾が「まれに見るバカ」のなかでいう「自分バカ」への違和感だと思う。これなどは世相が自分主義にシフトしていること自体への違和感なのかもしれない。 とまれ、ここ数年の日本語ブームのなかで出された本の中でも群を抜く面白さ、である。
最初は国語文法書のようなお堅い本かと思いましたが実際買って読んでみると、最近よく聞く話し言葉やネット言葉など取り上げ、しかもその内容・説明が難し過ぎず・長過ぎず判りやすい本でした。しかも最後に「ポイント」として簡単な「まとめ」の解説があって要点もしっかり掴むことが出来ます。 また、良く使う日本語でどっちが正しいか迷うものを「使うのはどっち?」というコーナーが108個あって自分も使うのに迷っていた言葉の説明もあって面白かったです。 面白さを引き立てるもう一つの要素は本の中にちりばめてある漫画も「問題な日本語」に添った内容で笑わせる内容で堅さが抜けました。 長い文章ではありませんので電車の中や仕事・学校の休息時間に少しずつ読み進められる本だと私は思いました。
「私的にはお勧めな本です。」
上の文は問題なわけですが、どこが問題なのでしょうか。
例えば「私的には」と一つ取ってみても、ただ「これは使ってはいけない」というのではなく、文法として、あるいは言葉の歴史を紐解いて解説されています。
といっても内容は小難しいわけではなく、ひたすら「なるほどなあ」といってしまうものです。
さらに、読み進めていて疲れたころに漫画が挿入されます。これまた面白い。
中高生が呼んでみても面白く感じると思います。
是非是非、昨今の日本語の使い方が気になる方は手にとってみてください。
この言葉が正しいのかどうか、イエスかノーかをはっきり言い切ってくれるマニュアル本ではありません。むしろ、この本をきっかけに、正しい日本語ってなんだろうね、と考えることを薦めてくれる本です。
いくつかの文法的解釈や、その言い回しに付随する背景を考察してくれています。だから、昼食後にパラパラとめくったりしていると、ちょうどいい感じです。
ちょっと、「明鏡日本語辞典」を宣伝しすぎにも感じますが、言葉に興味を持ったらそちらもどうぞ…ってことでしょうね。
日頃、気になる(気に障る)言い回しのうちのいくつかを挙げて解説されている点は面白く読めたのですが、それらの言い回しの生まれた背景をもう少し掘り下げてほしかった・・・解説はあくまでも文法上の解釈に終始し、文例も古い文学作品が中心。文豪も使う言い回しだから誤用ではない、というのではなく、どのような年齢層の人々が、どのような場所で、どのように使われだし、他の人々からどのように感じられているか、社会的な側面から喝破するのに期待しておりました。最近の「日本語ブーム」のおかげで人気ある本ですが、続編に期待します。
違和感のある言葉遣いを耳にすることがあるが、なぜ違和感があるのか、と考えるとこれが案外難しい。
「なにげに」
「きもい」
「・・・ってゆうか」
などの若者ことばは単に慣れの問題だと思うが、
「○○になります」
「私って・・・な人じゃないですか」
「私的には・・・」
などは、どうして違和感があるのか、ちょっと簡単には答えられない。
本書は、この言葉づかいは正しい、これは誤まり、と単純に右左にわけていくのではなく、違和感の生じる原因をしっかりと検討していて興味深い。
違和感の原因で多いのは敬語の使い方のようだが、言葉そのものが変わってしまうこともある。最近は「ふんいき」と「ふいんき」が半々くらいで使われている、ということでビックリしたが、しかし「さざんか」はもともと「さんざか(山茶花)」、「新(あたら)しい」はもともと「新(あら)た」だったそうで、一字入れ替わって定着してしまった言葉も少なくないようだ。言葉というのは『人の想像を絶したところで、意外な形で起こる』という、本書のフレーズが心に残った。
ちなみに、私って・・・な人じゃないですか、とか私的には・・・に感じる違和感は、勢古浩爾が「まれに見るバカ」のなかでいう「自分バカ」への違和感だと思う。これなどは世相が自分主義にシフトしていること自体への違和感なのかもしれない。
とまれ、ここ数年の日本語ブームのなかで出された本の中でも群を抜く面白さ、である。
最初は国語文法書のようなお堅い本かと思いましたが実際買って読んでみると、最近よく聞く話し言葉やネット言葉など取り上げ、しかもその内容・説明が難し過ぎず・長過ぎず判りやすい本でした。しかも最後に「ポイント」として簡単な「まとめ」の解説があって要点もしっかり掴むことが出来ます。
また、良く使う日本語でどっちが正しいか迷うものを「使うのはどっち?」というコーナーが108個あって自分も使うのに迷っていた言葉の説明もあって面白かったです。
面白さを引き立てるもう一つの要素は本の中にちりばめてある漫画も「問題な日本語」に添った内容で笑わせる内容で堅さが抜けました。
長い文章ではありませんので電車の中や仕事・学校の休息時間に少しずつ読み進められる本だと私は思いました。